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「タガログ語」と「フィリピン語」の違い【フィリピン特有の言語事情をわかりやすく解説】

フィリピンの言語について

弊社は、フィリピンを専門とした翻訳・通訳会社です。フィリピンに関することで企業・政府のお客様から個人のお客様まで幅広くご利用いただいております。

お客様からは「タガログ語とフィリピン語は違いますか?」「ビサヤ語やイロカノ語は、フィリピンの言語ですか?」「フィリピンの言語で、ところどころ英語が使用されていますが問題ないですか?」と度々ご質問をいただきます。はじめて触れるフィリピンの言語に様々な疑問があるかと思います。ましてやフィリピンの言語事情は、他国と比べてもかなり特種と言っても過言ではありません。そのような特殊なフィリピンの言語事情をわかりやすくご紹介いたします。

タガログ語とフィリピン語の違い

結論から申しますと、フィリピン語とタガログ語は同じもので、違いはありません。日本語での発音の関係もあり、フィリピン語は、フィリピノ語やピリピノ語と表記されることもあり、タガログ語もタガル語と表記されていることも見かけますが、「フィリピン語」「タガログ語」が一般的に使用される表記です。

後述の通り、フィリピンには150以上もの言語がありますが、その中でもタガログ語は「フィリピンの国語」といった位置付けでフィリピン語とも呼ばれています。

フィリピンの方に向けて翻訳する場合は
基本的にタガログ語(フィリピン語)を使用

フィリピンの方とコミュニケーションにはタガログ語(フィリピン語)を使用します。後述しますが、フィリピンの地域によって話される言語が異なるため、セブ出身のフィリピン人にはセブアノ語(ビサヤ語)を、イロイロ島出身のフィリピン人にはイロカノ語を使用する場合があります。いずれの出身者もタガログ語(フィリピン語)を理解できるため、特別な事情がない限り、フィリピンの方に向けた文章を翻訳する場合は基本的にタガログ語を使用します。

フィリピンにはタガログ語の他に
ビサヤ語、イロカノ語など150以上もの言語がある

タガログ語はフィリピンの国語ですが、厳密に言えば、フィリピンには7,600以上もの島があり各地域によって話される言語が異なります。セブアノ語(ビサヤ語)からイロカノ語、パンパンガ語、ワライ語(ワライワライ)など主要言語を含め、150以上もの言語が存在していることが2000年度に実施されたフィリピン国勢調査で明らかになっています。

それらは同じフィリピン国内の言語でも、全く異なる独立した言語として扱われます。タガログ語を母語とするマニラ出身者が、セブアノ語やイロカノ語を聞いても全く理解でないほど異なっています。日本で例えると、関西弁や名古屋弁など意味が理解できる方言ではなく、津軽弁のような標準語の語体を保たない言語が150以上あるということです。

セブ島出身のフィリピン人はセブアノ語(ビサヤ語)を母語としますが、初等教育からフィリピンの国語としてタガログ語を学習するため、彼らにとってタガログ語は第二言語となります。他の地域も同様に地方の言語が存在しますが、義務教育としてタガログ語を国語として学ぶため、フィリピン国民であればタガログ語が理解できます。

150以上もの言語が話されるフィリピンで、国民の意思疎通を容易にするためにフィリピンの公用語としてタガログ語が採用されています。そのため、タガログ語はフィリピン語(フィリピノ語)とも呼ばれており、国勢調査の結果では96.4%のフィリピン国民がタガログ語を話されることが明らかになっています。

前述の通り、フィリピンの方々に向けて翻訳をする場合は、基本的にタガログ語で問題ありません。しかし、タガログ語を話す機会が少ない地方出身者にとっては地方言語が好まれるので、そのような特殊なケースにおいては地方言語への翻訳も有効です。

タガログ語(フィリピン語)は
英語とスペイン語の借用語が多い

フィリピンは米国とスペインの植民地だった歴史もあり、タガログ語の単語やフィリピン人の名前、フィリピンの地名も英語やスペイン語が多く含まれています。

フィリピンの公用語は「タガログ語」と「英語」

フィリピンの公用語はタガログ語ですが、英語も公用語として採用されています。ニュース、新聞、契約書などの公文書では、それぞれタガログ語と英語が使用されています。フィリピンで実施された2000年度の国勢調査によれば、63.7%の5歳以上のフィリピン国民が英語を話されるといった結果が明らかになっています。

しかし、フィリピンで生活をすると実際はこの結果の「英語が話せる」度合いが人によって大きく異なり、英語圏の人のように英語を流暢に話せ、読み書きできる割合は、上述された数字よりもかなり少ないと感じられます。英語の新聞を全て理解できるフィリピン人は、難関大学卒業者または英語教育を徹底された家庭で育ったフィリピン人に限られている印象があります。また、英語をアメリカ人のように流暢に話すフィリピン人は、エリート層や富裕層といった印象がもたれます。

フィリピンでは、タガログ語と英語が公用語として採用されていますが、英語を流暢に話せ完璧に理解できる割合は多くありません。フィリピン人とのコミュニケーションにはタガログ語が効果的です。

フィリピン人にわかりやすい翻訳は、
英語とタガログ語を合わせた「タグリッシュ」

フィリピンでは、「タグリッシュ」といってタガログ語(Tagalog)に英語(English)を混ぜて話されます。また、固有名詞や公共機関などの表記にも英語が使われています。公式なタガログ語の文章や大統領演説にもタガログ語と英語の両方が使われます。

そのため、タガログ語へ翻訳する場合は「タグリッシュ」を使用します。タガログ語へ翻訳する際に、普段はフィリピンの人たちが英語で話す単語を無理にタガログ語にすると、かえって文章が不自然となってしまい、伝わりづらくなります。日本語で例えるならば、本来なら英語で理解しやすい単語やカタカナ表現を無理に日本語に変換して読みづらさを感じる感覚に似ています。

初めてタガログ語の文章を見る方にとって、翻訳に英語が混ざっていることに疑問を感じられるかと思いますが、フィリピン人にわかりやすい文章には適度にタガログ語と英語を混ぜたタグリッシュが利用されています。

弊社は、フィリピン専門の翻訳・通訳会社です。タガログ語(フィリピン語)はもちろんのこと、ビサヤ語などその他のフィリピンの地方言語にも対応しております。企業・政府から個人のお客様まで様々な翻訳・通訳を承って参りました。フィリピンに関することでお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

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